自分と向き合うのは勇気のいることだ……。
今、全てを語り、全てを清算させよう。
全ての中二病よ見ているか!
我々七つの人格の最後の戦いの記事を送ります。記録願います!! 願います!!
†そして銀封師へ……†
中学3年生にも上がろうかという時期、チャット上ではほぼ銀封師でいました。
というのも、一人の女の子と出会ったからです。
明里ちゃんです。
いや誰やねんって話ですが、説明してやるから聞けよ指の震えが止まらねえぜ。黒歴史への拒否反応だぜ。
僕がチャットを始めた時期、インターネット全盛期だったのですが、大人が使用するイメージも多く、同年代に出会うことがあまりありませんでした(年上ばかり)
高校入ったぐらいからは、同じような年代に出会っていきますが、中学生はとにかく少なかった。
そんな中で、明里ちゃんは僕と同じ年齢。非常に話がはずみ、ほぼ毎日チャットで話していました。
学校の話題、食べ物、お互いの趣味、音楽、住んでいる場所。
およそ血しぶき舞う殺伐とした戦いが日常だった僕には必要のない無駄な会話……。
ただそんな無意味にすぎる時間に不思議と安らぎを覚えた……。
木刀を装備? 妖魔討伐? キリを投げる?
え? 一言も話さなかったよ?
僕にとってこの時間は、聖域<サンクチュアリ>だからね。汚すことはできないんだ。
ただこの時の僕は気がついていませんでした。崩壊の序曲が地獄の底から聞こえてくることも。
壊れかけた大事ななにかを守ろうする行為が、破滅への決定打となることも。
†手紙交換という文化†
これは、うちのチャット村だけかもしれないが、『仲良くなると手紙を交換する』みたいな文化がありました。
まあ、サイバーの世界で、最後はあえてのアナログな手法をするってのは当時のロマンスだった気がします。特別感というか。
今でこそ、SNSだなんだとかあり、相手の声を聞くことも出会うことにもそこまで抵抗がないかもしれん現代ですが、あの時代、ネットといえば閉鎖的な空間で、しかもその中でリアルに出会うとか、マジでご法度の世界でした。
もちろん中学生同士でしたし、こちとら札幌、相手は名古屋だったので、会うことは難しいし、別に会いたいって気持ちもお互いなかったです。
でも、お互いに歩み寄ろうみたいなノリがあり、それが手紙交換でした。
そんな感じで出会って数か月、明里ちゃんと手紙交換する流れになりました。
天にも昇る気持ちでした。学校から帰っては毎日郵便受けをチェックですよ。
留まることのないほとばしるエネルギー全てが、家の郵便物に集中するわけです。
そして手紙が届くのです。
「初めまして。明里です。何書いていいか正直わからない(笑)これからもよろしくお願いします。 字が下手でごめんね(小)」
およそ長いとは言い難い少なめの文章ですが、不器用ながらの温かみのようなものを感じ、世界中の喜びを表す言語をかき集めても言い表せないこの世の幸せが僕の手にありました。
普段、ネット上でしか会えない彼女に確かな繋がりを感じたのです。この人は現実世界にいるんだなって。
†思春期に狂わされた少年の翼†
誤解があるかもしれませんが、僕と明里ちゃんは恋仲ではありません。
いや出会ってないのに、なに言ってんだって話ですが、お互いイチャラブ会話などはしておらず、純粋な雑談しかしていません。
物理的な距離もありましたし、僕自身も普通にできた友達的な感じでとても楽しかったです。
ってはずだったのに!
狂う。全てが狂う。
いや多分思春期入っちゃったんだろうかなぁ。
確信的に「好き」って気づいたわけはないですが、なにかこう意識しちゃったような気がします。
わざと冷たい態度や、からかうような言動が増えていき、非モテ故の自分の感情のコントロールができなかったのです。
そして崩壊の日は訪れます。
記憶が封じられすぎて思い出せませんが、僕は明里ちゃんのなんらかの地雷を踏みます。
思い出せません! アンロックできません! それほどまでに封じたいのでしょう。
流石の僕も幼な心に「これはやべぇ」となったのでしょう。ただ謝罪すればいいだけです。謝ればいいのです。
しかし捻じれ歪みきった心に、そのような思考はない! パニック! ひらめく名案! これだ!
==銀封師さんが退室しました。==
==光希神さんが入室しました。==
光希神「失礼しました。あまりに銀封師の発言が暴走していたので、彼を眠らせました。強 制 的 にねクスッ」
否、愚策!
明里ちゃんはただ一言「あなたは銀ちゃんじゃないのね。そっか。そうなんだ」
と言って、退室しました。
そして二度と入室することはなかったのです。
このチャットルームは現実世界の誰もが干渉してこない、いつも溜め込んでいた心の中を打ち明ける、そんなお互いの特別な場所でありました。
ただ、逆に言うと、回線一つでしか繋がっていない脆い絆の関係性であったことも痛感したのです。
この日以降、僕は銀封師ではなくなり、というか他のキャラクターも捨て、このチャットルームからは去りました。
そして、冥界の闇皇子と名を変え、闇の世界へと消えるのですが、それはまた別の伝説!
‡オマケ:当時を振り返る‡
70歳の女性と対談することがあり、その時に言われた言葉
「何故男の子は好きな女の子に逆のことをするのだろうねぇ」
そのとおりだよ!
なんででしょうかねぇ!
特に特別語ることはないです。が、『人生やっちまったランキング』にランクインは確実にします。
その……何が心辛いかっていうと、先ほど言った通り、ネットって閉鎖空間であり、特別な場所だったんですよ。
現実世界で上手く人とコミュニケーション取れない人や、道化を演じているものが本音で語り合える治外法権でありオアシス。
僕も現実世界では愛想悪かったし、ネット上でも中二病キャラ演じていました。
しかし、明里ちゃんの前では、ただの中学生として話していたんですよね。いうなれば初めて心許せる相手だったんです。
別に最終的にどうこうしたいわけでもなく、どうこうできなかったのが嫌だったわけではなく、せっかく知り合った友達を、己の制御の利かない暴走した感情の変化で悲しませてしまったっていう慙愧の念と矮小なプライドが今でも愚かだったと思い、とても恥ずかしくてしょうがないのです。
はい。
えっと……ファンボックス始めました!
よろしくお願いします! 元気に生きています!
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